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  • S&Pは16日付で、シティグループとモルガン・スタンレーの主要な中核事業子会社の長期格付けを1ノッチ引き上げ、引き上げ方向の「クレジット・ウォッチ」(CW)を解除した。
  • これは、2グループの主要な中核事業子会社の格付けに追加的損失吸収能力(ALAC)の格付け規準に基づくノッチアップを追加で1ノッチ分織り込んだことによる。
  • 2グループの日本の事業子会社であるシティバンク銀行とシティグループ証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の長期カウンターパーティ格付けをそれぞれ「A+」に引き上げ、CWを解除した。
  • アウトルックは2グループの主要な中核事業子会社のアウトルックを反映して「安定的」。

(2016年12月19日、東京=S&P)S&Pグローバル・レーティング(以下「S&P」)は本日、シティバンク銀行とシティグループ証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の長期カウンターパーティ格付けを「A+」に1ノッチ(段階)引き上げた。シティグループ証券の長期優先債券格付けも「A+」に引き上げた。これらの格付けは、2015年11月5日から引き上げ方向の「クレジット・ウォッチ」(CW)に指定されていたが、CWを解除した。3社の短期カウンターパーティ格付けと、シティグループ証券のジュニア劣後債の格付けは据え置いた。

シティバンク銀行とシティグループ証券の格付けアクションは、両社に間接的に100%出資する米シティグループ(持ち株会社、※「BBB+/安定的/A-2」、※付きは無登録格付け、詳細は本稿末尾の「S&Pグローバル・レーティングの格付けについて」を参照)の主要な中核事業子会社の長期カウンターパーティ格付けが1ノッチ引き上げられ、引き上げ方向のCWが解除されたことを受けたものである。モルガン・スタンレーMUFG証券の格付けアクションは、同社の議決権ベースの持ち分の51%を間接的に保有する米モルガン・スタンレー(持ち株会社、※「BBB+/安定的/A-2」)の主要な中核事業子会社の長期カウンターパーティ格付けが1ノッチ引き上げられ、引き上げ方向のCWが解除されたことを受けたものである。両グループに対する格付けアクションは、米連邦準備制度理事会が公表したTLAC債に関する最終ルールの内容を踏まえ、ALACによる特別な支援を格付けに追加で1ノッチ織り込んだことよるものである(詳細は12月16日付英文リリース「Operating Subsidiaries Of Four U.S. Global Systemically Important Banks Upgraded Following Final TLAC Rules」を参照)。

S&Pはグループ格付け手法に基づき、3社を各グループとの強い一体性などを踏まえて各グループの「中核」子会社と位置付けており、3社の格付けを各グループの他の中核事業子会社の格付け〈特別支援の可能性を考慮したグループ信用力評価(supported GCP)に相当〉と同水準としている。

3社の「安定的」のアウトルックは、各グループの主要な中核事業子会社のアウトルックを反映し、3社の格付けが今後2年間安定的に推移するとのS&Pの見方を表している。仮に、今後各グループのグループ信用力評価を引き上げた場合には、各社の格上げも検討するが、その場合には、同時点における日本のソブリン格付けに制約される可能性がある。一方で、仮に今後、1)グループ信用力評価を引き下げた場合、あるいは、2)グループにおける日本事業の重要性が低下するなどして、親会社との一体性やグループによる特別支援の蓋然性が低下したとS&Pが判断した場合--には、格下げとなる可能性がある。

格付けリスト 
格上げ 、「クレジット・ウォッチ」解除
新: 旧:  
シティバンク銀行
A+ A 長期カウンターパーティ格付け
アウトルック:安定的
シティグループ証券
A+ A 長期カウンターパーティ格付け、長期優先債券
アウトルック:安定的
モルガン・スタンレーMUFG証券
A+ A 長期カウンターパーティ格付け
アウトルック:安定的
格付け据え置き
シティバンク銀行
A-1 短期カウンターパーティ格付け
シティグループ証券
A-1 短期カウンターパーティ格付け
BBB ジュニア劣後債
モルガン・スタンレーMUFG証券
A-1 短期カウンターパーティ格付け

<関連格付け規準と関連リサーチ>

関連格付け規準

2014年3月14日付「一般格付け規準:グループ格付け手法」

2015年2月27日付「格付け規準|金融機関|銀行:銀行のハイブリッド資本証券と支払い停止条項のない劣後債の格付け手法と想定」

*本格付に関する適時開示事項(金融商品取引業等に関する内閣府令第三百十三条第三項第三号)は、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のウェブサイトの「ライブラリ・規制関連」>「信用格付けの概要」(www.standardandpoors.co.jp/pcr)でご参照いただけます。

S&Pグローバル・レーティングの格付けについて:

 S&Pグローバル・レーティングが提供する信用格付には、日本の金融商品取引法に基づき信用格付業者として登録を受けているスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社が提供する信用格付(以下「登録格付」)と、当該登録を受けていないグループ内の信用格付業を行う法人が提供する信用格付(以下「無登録格付」)があります。本稿中で記載されている信用格付のうち「※」が付されている信用格付は無登録格付であり、それ以外は全て登録格付です。なお、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社が提供する信用格付の一覧は同社の日本語ウェブサイト(www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラリ・規制関連」で公表しています。

本稿に掲載されているコンテンツ(信用格付、信用関連分析およびデータ、バリュエーション、モデル、ソフトウエア、またはそのほかのアプリケーションもしくはそのアウトプットを含む)及びこれらのいかなる部分(以下「本コンテンツ」といいます)について、スタンダード&プアーズ・フィナンシャル・サービシズ・エル・エル・シーまたはその関連会社(以下、総称して「S&P」)による事前の書面による許可を得ることなく、いかなる形式あるいは手段によっても、修正、リバースエンジニアリング、複製、頒布を行うこと、あるいはデーターベースや情報検索システムへ保存することを禁じます。本コンテンツを不法な目的あるいは権限が与えられていない目的のために使用することを禁じます。

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本コンテンツにおける、信用格付を含む信用関連などの分析、および見解は、それらが表明された時点の意見を示すものであって、事実の記述ではありません。S&Pの意見、分析、格付の承認に関する決定(以下に述べる)は、証券の購入、保有または売却の推奨や勧誘を行うものではなく、何らかの投資判断を推奨するものでも、いかなる証券の投資適合性について言及するものでもありません。S&Pは、本コンテンツについて、公表後にいかなる形式やフォーマットにおいても更新する義務を負いません。本コンテンツの利用者、その経営陣、従業員、助言者または顧客は、投資判断やそのほかのいかなる決定においても、本コンテンツに依拠してはならず、本コンテンツを自らの技能、判断または経験に代替させてはならないものとします。S&Pは「受託者」あるいは投資助言業者としては、そのように登録されている場合を除き、行為するものではありません。S&Pは、信頼に足ると判断した情報源から情報を入手してはいますが、入手したいかなる情報についても監査はせず、またデューデリジェンスや独自の検証を行う義務を負うものではありません。

ある国の規制当局が格付会社に対して、他国で発行された格付を規制対応目的で当該国において承認することを認める場合には、S&Pは、弊社自身の裁量により、かかる承認をいかなる時にも付与、取り下げ、保留する権利を有します。S&P関係者は、承認の付与、取り下げ、保留から生じる義務、およびそれを理由に被ったとされる損害についての責任を負わないものとします。

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